- 2006年2月 7日 19:03
この前の日曜日の朝、映画「MYARCHITECT」を観てきました。
この映画は、建築家ルイス・カーンの息子であるナサニエル・カーンにより5年の歳月をかけて製作され、第76回アカデミー賞「最優秀長編ドキュメンタリー部門」にノミネートされました。映画のテーマは副題「A Son' Journey」とあるように、ナサニエルが幼い頃に亡くした父親の面影を残された建築作品を通して描かれている。(左Data-MYARCHITECTパンフレットより)
ナサニエルがカーンの二人目の愛人との間に出来た息子であったことも併せて考えてみると彼にとって「父親とは」「家族とは」という問い掛けを常にしていたのだろうと思うし、また、残された彼の母親がおかれた境遇というものを彼なりに気づかい、ある部分、父親を許せないという気持ちもあったのではないだろうか。しかし、そのような気持ちをもちながら、父が残した仕事の足跡を追う旅を続ける中で父の作品とそれに係わった人々との会話を通して彼は父を許し、受け入れていったのではないかなと思う。
ナサニエルの二人の姉達(それぞれ母親が違う)の「お互い気づかうと決めたら私たちは家族よ。」という言葉に触れ、バングラディッシュ国会議事堂の撮影を行っているとき、協力した建築家による「この国会議事堂は、30年前の我々の国では考えられなかった建物。カーンは貧乏な国だということを気にもかけなかった。最貧国に彼の最大の建物が彼の命を代償にしてできたんだよ」とナサニエルに語りかけられたことを通して、彼は、父親に対して許す気持ちになっていったのではないだろうか。
この映画はナサニエルの私的な映画でもあるけれど、「家族」「父親」「建築家」「文化」などの事々を改めて考えさせられる機会になった。
インドのアーメダバードに建設された「インド経営大学」をかつて訪れたことがある自分にとって、カーンをとりまく人々の彼への優しさや気遣いに少し触れることができた。いい映画でした。
(左Data-Katarai in India photo by Moguより)
MYARCHITECTのサイトは下記で。。予告編ムービーも観れます。MyArchitect
上映館Q-AXシネマのサイトは下記で。。上映時間、こみ具合が確認できます。
現在夜9時15分のレイトショーと朝10時10分のモーニングショーの二回上映となっています。
Q-AX シネマ
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Comments:5
- kawa 2006年2月 9日 01:49
いつぞやの晩はお陰様で大変楽しかったです。
又。
次は佐賀井を呼びます。
今月は毎晩遅くて渋谷のレイトショーに中々行く事が出来ません。
見たいと思っているのですが、いつまでやっているか御存知ですか?- skiyose 2006年2月 9日 09:27
kawaさん、こんにちわ。。このまえはどうもでした。
こんど叉。。
MAYARCHITECTの上映時間、公式サイトのURLをエントリーに入れておきました。
朝10時と夜9時の2回上映になっています。
上映終了日は未定のようです。(多くのひとが殺到すれば延長なのかな)
朝、早めに行って、午前中映画観て、事務所に直行し、
仕事にかかったとき、みんなどんなスケッチをするのかなぁ。。- umikarahajimaru 2006年2月24日 22:09
はじめまして。
興味深く読ませていただきました。
私のブログでも『マイ・アーキテクト』に関する記事を書き、そこでこちらの記事をご紹介させていただきました。TBもさせていただきました。どうぞよろしくお願いします。- ttonton3 2006年2月24日 23:30
「マイ・アーキテクト」を観た!
トラックバックさせていただきます。
よろしくお願いします。- skiyose 2006年2月25日 10:45
とんとんさん、umikarahaimaruさん。
トラックバックとコメントありがとうございました。
今、Q-AX シネマのHPを見たら、レイトショーだけになったようですね。いずれにしても、多くの人たちにもらいたいですね。。