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循環の鎖ー山越邦彦展

先日、可喜庵で開催中のデザインサーベイとしての昭和建築家シリーズ�「山越邦彦展」(〜6月23日まで)に行ってきました。 彼は、太陽光・雨水・排泄物や塵埃の循環的利用を目指した一連の住宅/ドーモ・ディナミーカ、ドーモ・ムルタングラはいずれも1930年代(昭和初期)に建築された住宅で有名です。 彼は住宅を単体のものとせず、周辺の自然環境などと組み合わせ「循環の鎖」を数多くしてゆこうと考えていました。 Yamakoshi.jpg
会場で展示されている写真や、パネルなどを見ていて、彼が活躍した時期のことを少したどってみると、昭和初期には、郊外に住宅地が各地で開発された時期でもありました。その当時の郊外住宅地として、大泉学園、玉川学園、常磐台などがあげられ開発者が理想の住宅地をめざしていた時期に重なります。 玉川学園は、私が現在住んでいる街ですが、当時の宅地開発の理念として、「擁壁は低く1M以内とし、生け垣にする。」「宅地は500坪とし、概ねの生活ができるように」などの約束事があったと聞きます。そこには、ある意味、循環型の生活を目指していたのかもしれません。 現代に戻って、循環型社会の在り方が国の施策として施行されていますが、その基本的な理念は、当時とくらべ大きく変わらないものの、「自然との循環の鎖」という考え方から見直してみるとどのような捉え方や考え方ができるのでしょうか。 日本のかつての住まい方としての農村での生活や、それを支えた民家などに、このような「自然との循環の鎖」を見いだすことができると思います。 また、「民家は生きてきた」(伊藤ていじ著)などの著作にそれを見いだすヒントが多々あると思うし、かつて40年程前に参加したデザインサーベイの調査記録を読み返してみると、このような視点で「ものつくり」へのアプローチができると思っています。

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