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デザインサーベイ図面展その2-ギャラリートークを聞きながら

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8月23日午後6時から可喜庵にて開催中の「デザインサーヴェイ図面展」に関連して、宮脇ゼミのOBであり工学院大学教授の中山繁信さんと、同じくOBで先輩の高尾さんによるギャラリートークが開かれました。


予約制で20名定員ということでしたが、およそ40〜50名の方々が駆けつけてこられました。
当時のゼミのOBが地方から駆けつけたり、地域の方々や、OMの関係者、宮脇さんの元所員の方など、これだけ多くの方がこられるとは、驚きであったけれど、可喜庵を通して出来上がった縁と思ったのです。

中山さんは、主に、宮脇さんがデザインサーベイを始めたきっかけや。当時私たちのサーヴェイの様子を中心に、デザインサーヴェイの意味などを話され、高尾さんは、実測した調査地の特徴などを解説されていました。

こうして、あらためて、展示された原図や、当時の写真などを見ていると、当時、なにかに憑かれたように、調査地の中を駆け回り、各戸の間取りなどを実測していた自分を思いだします。
そして、今、そのような実測の原図などを、はじめてみた方々が、何を感じとってくれたのかということにとても興味を持ちました。

宮脇さんはかつて「今、実測していることや、残された図面は、後世、きっと役に立つはず」と言われていました。そのことの意味は、こうして図面展を開き当時サーベイの意味や意義を伝える事や当時調査した集落を修景保存する資料とする事などもそのひとつであったのでしょう。
ただ、私が今思うのは、実測を通して体に染みついたスケール感や、街を歩くときのものの見方・感じ方・捉え方を当時の実測調査を通して体現したことが大きな意味を持っていると最近思うのです。また、集落の中に入り、実測している自分と、その対象となる建物や人たちとの関係性を測ることもしていたのだと思います。

宮脇さんが、デザインサーベイという作業を終えた後、宅地の分譲開発に力を注いでいきました。そういった住宅地のいくつかを訪れてみると、デザインサーベイで得た成果を形にしていかれたことがよく判ります。
「個として、群れとしての建築」とは、宮脇さんがゼミでよく説いてくれた言葉。

住宅地には、建て主や設計者のそれぞれの思いが込められた住宅が建てられ、街並みをつくり出している。私もそういった仕事をする一人。

住まいを設計するとき、「住み手の思い入れだけでなく、その土地に建てることになった縁が必ずあり、住み手がその街を愛しながら住みついてゆくきっかけにもなるのだ」ということを常に心がけています。そのことが、街をつくるということに繋がるのだろうと思っています。

私が住んでいる玉川学園は来年、街ができて80年になります。他の郊外住宅地と同様、戦後、宅地開発が盛んに行われ人口が急増し、当初の面影は既に失われていきつつあります。
しかし、街が出来たころの面影や、当時の街の造られ方などは丹念に街を調べると拾い出すことができます。
それらを整理し、この街のあり方などを、地域の方々と一緒に造りだしていく行為がかつてデザインサーベイに関わったことの縁であるように思えてならないのです。

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