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李禹煥(LEE UFAN) 余白の芸術

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彼の展覧会が横浜美術館で9月から開催されており、最終日の12月23日に駆けつけた。

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日本においては12年ぶりの大規模な個展とのこと。
彼のことは私が学生時代、美術手帖やSDなどの雑誌で発表された論文などで知っていたが(「事物から存在へ」が美手帖に発表され、当時なんども読み返したことを思い出す。)、実際の作品をいままでみたことがなかった。今回の個展では90年代以降に発表された新作、近作で構成されているとのことだった。
絵画は「照応」と「風と共に」の一連の作品がそれぞれが製作された順に展示されている。余白のキャンバ\スに方形の筆跡を記し、他はなにもない。そのバランスが微妙で、緊張感や静寂をみるものに与えてくれる。彫刻は「関係項」というテーマで木、石、鉄の素材をその展示する場に配置され、私たちにその関係性の「何か」を暗示させる。そのなかの一作品「関係項-三つの要素」という作品がとても気になった。
木、石、鉄が微妙な距離をおいて配置されており、間をときおり人が通り過ぎてゆく。そして照明によって素材が照らされ、作られた陰影部分のディテールの繊細さ。作品の前に置かれたイスに座り、木、石、鉄の置かれた関係に思いを巡らす。普段、建築に関わるものとして、このようなピュアな形で素材を扱うことはまれである。素材を建築に組み込むとき、それぞれの関係は複雑になる。
「ピュアな関係と間合い」をもう一度考え直す機会を与えてくれたと思い、会場を後にした。

Comments:2

skiyose 2005年12月25日 17:57

写真、上段の「照応」に似た作品は、会場でのワークショップ用に用意されたゴム印を使って紙にスタンプしたもの。
横浜トリエンナーレが開催されていたので、訪れた人たちにそのような仕掛けをつくり、数冊のファイルが、会場の出口に備えられ、閲覧することができました。

Tak 2005年12月27日 12:37

こんにちは。
旅行に出かけていてお返事遅くなってしまいました。
TB,コメントありがとうございました。
「照応」以降、これからの李の作品が楽しみです。

今後とも宜しくお願い致します。

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